水越法律事務所は2025年12月1日で15年目を迎えました。
弁護士としては20年目です。
昨年、「特に区切りがよいわけではなく」と書いた手前、今年ばかりは少し筆に力が入ってもよい頃合いかもしれません。
弁護士になって20年。生まれた子供が成人を迎えるだけの月日が流れました。
事務所としても15年。中学を卒業する年齢です。
そう考えると、長く続けてこられたことに、少しだけ感慨深いものがあります。
20年越しの「答え合わせ」
昨年の投稿で、私が司法試験を受験した際、書字障害のために法務省と交渉し、パソコン受験を認めてもらったエピソードを書きました。
当時、試験官に見守られながら私一人だけがキーボードを叩いていたあの試験から、およそ20年。
いよいよ来年(2026年)から、司法試験にCBT方式(パソコン受験)が導入されます。
私が受験生だった当時は「パソコンで司法試験なんて」という空気でしたが、時代がようやく現実に追いついたようです。
20年という時間は、非常識を常識に変えるには十分な時間だったということでしょう。
「あったらいいな」を自分で作る
この20年間で、弁護士業務を取り巻く環境は激変しました。
紙の六法全書を引くことは減り、判例検索はクラウドで、打ち合わせはオンライン。
ただ、既存のツールだけでは手が届かない「痒いところ」も依然としてあります。
そこで、この数年は「ないなら作ればいい」の精神で、実務に役立つプロダクトをいくつか開発・公開してきました。
- ポンと楽と
弁護士が開発した、誰でも使える押印Webアプリ(特許出願中)。PDFにクリックでハンコを押すだけで契約が完結します。

- LINEのやりとりを証拠にしたい
その名の通り、LINEのトーク履歴を法的な証拠として使える形式で保存・出力するためのアプリです。

- LINEWatcher
PC版LINEから保存した画像やファイルが散らかる問題を解決する自動整理ツール。拡張子の自動付与やリネームを自動化しました。

- 法律を、LINEで。
LINEで条文番号(例:民法709条)を送ると、条文の全文が返ってくるBot。「ポケット六法」ならぬ「LINE六法」です。

- AutoCopy Chrome Extension
テキストを選択するだけで自動コピーするChrome拡張機能。地味ですが、毎日の業務効率を劇的に上げてくれます。

- インターネット六法 Extension
Webページ上の法令名や条文番号を検知し、マウスオーバーで条文を表示する拡張機能。いちいち別タブで検索する手間をなくしました。

こうして並べてみると、弁護士としての20年は、同時に「業務の効率化」と向き合い続けた20年でもあったのかもしれません。
道具がいかに進化しようとも、あるいは自ら進化させようとも、依頼者の方の悩みに向き合い、解決の糸口を探るという「弁護士の本質」は、1年目の頃と何ら変わっていません。
これからも、淡々と
15年、20年と言っても、日々の業務の積み重ねの結果でしかありません。
劇的な変化や派手な成果を誇るのではなく、一つひとつの事件、一人ひとりの依頼者に対して、誠実に仕事をしてきたこと。
そして、その仕事の質を上げるために、新しい技術もどん欲に取り入れてきたこと。
もし誇れることがあるとすれば、その「継続」と「工夫」かもしれません。
これからも、最新のテクノロジーへのアンテナは張りつつ、やるべきことは泥臭く。
相変わらず「のんびりと」ではありますが、この先も変わらず、皆様の法的な「お守り」として機能できるよう精進してまいります。
引き続き、水越法律事務所をよろしくお願いいたします。
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