二兎を追う者は一兎をも得ず

 弁護士をしていると,ことわざや故事成語といった昔ながらの言い伝えがまさに正しいと実感する場面が多いです。

 その例として,題名の「二兎を追うものは一兎も得ず」というものがあります。同じ趣旨のものとして,「虻蜂取らず」という言葉もあります。

 あれもこれも,という強欲さが問題となっているという場面ではわかりやすいです。

 よくあるのは,相手を怒らせたくない,相手に恨まれたくない,安全を確保したい,他方で,権利を実現したい,という主張・心情です。

 結局どちらも追おうとするが故に迷路に迷い込んでしまいます。

 

弁護士の回答
弁護士の回答

裁判をしましょうか。

質問
質問

恨まれるので嫌です。

弁護士の回答
弁護士の回答

では,今回の件は,安全を期して,諦めることにしましょう。

質問
質問

泣き寝入りですか?絶対に嫌です。

 このような場面では,難しいですが,どちらかに決めて,決めた方向性を採ることによって生じる犠牲は仕方ないと思うほかありません。

 当然,「一石二鳥」,「一挙両得」を目指すことは考えるのですが,目指すところが相反するものであったりすることが多く,なかなか難しいものです。

 ただ,和解の場面においては, 早く解決でき,しかも想定されたよりも良い解決であるなどと「一石二鳥」,「一挙両得」 を実現できることが多いような気がします。

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