ツリとバツ(釣りと法律)

最近,釣りが流行しており,その一方で,釣りに伴う法的トラブルも増えているようです。
そこで,釣りに伴う法的トラブルについて調べてみました。

漁業法

まずは漁業法の制約です。

一番大きいのは,以下です。

(特定水産動植物の採捕の禁止)
第百三十二条 何人も、特定水産動植物(財産上の不正な利益を得る目的で採捕されるおそれが大きい水産動植物であつて当該目的による採捕が当該水産動植物の生育又は漁業の生産活動に深刻な影響をもたらすおそれが大きいものとして農林水産省令で定めるものをいう。次項第四号及び第百八十九条において同じ。)を採捕してはならない。
四 前三号に掲げる場合のほか、当該特定水産動植物の生育及び漁業の生産活動への影響が軽微な場合として農林水産省令で定める場合

農林水産省令で定めるもの・・・アワビ、ナマコ、シラスウナギ

財産上の不正な利益を得る目的で採捕されるおそれが大きい水産動植物であって、当該目的による採捕が当該水産動植物の生育又は漁業の生産活動に深刻な影響をもたらすおそれが大きいもの,暴力団対策等として設けられているようです

以下の罰則があります。

第百八十九条 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役又は三千万円以下の罰金に処する。
一 第百三十二条第一項の規定に違反して特定水産動植物を採捕した者
二 前号の犯罪に係る特定水産動植物又はその製品を、情を知つて運搬し、保管し、有償若しくは無償で取得し、又は処分の媒介若しくはあつせんをした者

一般的な釣り人(陸っぱり,ショアアングラー)に影響するのは主に以下でしょう。

都道府県漁業調整規則

(漁業調整に関する命令)
第百十九条 農林水産大臣又は都道府県知事は、漁業調整のため、特定の種類の水産動植物であつて農林水産省令若しくは規則で定めるものの採捕を目的として営む漁業若しくは特定の漁業の方法であつて農林水産省令若しくは規則で定めるものにより営む漁業(水産動植物の採捕に係るものに限る。)を禁止し、又はこれらの漁業について、農林水産省令若しくは規則で定めるところにより、農林水産大臣若しくは都道府県知事の許可を受けなければならないこととすることができる。
2 農林水産大臣又は都道府県知事は、漁業調整のため、次に掲げる事項に関して必要な農林水産省令又は規則を定めることができる。
一 水産動植物の採捕又は処理に関する制限又は禁止(前項の規定により漁業を営むことを禁止すること及び農林水産大臣又は都道府県知事の許可を受けなければならないこととすることを除く。)
二 水産動植物若しくはその製品の販売又は所持に関する制限又は禁止
三 漁具又は漁船に関する制限又は禁止
四 漁業者の数又は資格に関する制限
3 前項の規定による農林水産省令又は規則には、必要な罰則を設けることができる。

要するに,都道府県知事が規則(都道府県漁業調整規則)を定めることができるということです。
これを受けて,各都道府県で規則が定められています。

 

たとえば,愛知県についてみると
区域制限(第三十三条),漁具又は漁法の禁止(第三十四条)。漁具の制限(第三十五条),遊漁者等の漁具又は漁法の制限(第四十二条)が為されており,罰則も定められています。

第五十四条 次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役若しくは十万円以下の罰金に
処し、又はこれを併科する。
一 第三十三条から第三十六条まで、第三十七条第一項若しくは第三項、第三十八条から第四
十一条まで、第四十三条第一項又は第四十四条第一項の規定に違反した者

 

立ち入り禁止

その他,立ち入り禁止とされていることとの関係で以下が問題になります。

軽犯罪法第一条 左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
三十二 入ることを禁じた場所又は他人の田畑に正当な理由がなくて入つた者

場合によっては,建造物侵入罪も問題となりえます。

刑法第130条 正当な理由がないのに,人の住居若しくは人の看守する邸宅,建造物若しくは艦船に侵入し,又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は,三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

SOLAS条約によって,特定の港湾関連施設について侵入禁止とされている点にも注意が必要です。

各都道府県にわかりやすいガイドラインのページを設けているところも多いです。

これらを確認した上で,安心安全な釣りライフをお送りください。

 

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