不動産を仮差押された場合どうなりますか?

質問

裁判所から「仮差押決定」という書面を受取りました。

どういうことですか。

弁護士の回答

簡単に説明すると,仮差押とは,裁判所が発する保全命令の1つで,差押の予約のようなものです。

民事保全法に規定されるもので,後に財産が散逸しないよう,現況をプロテクトする役割を有します。

裁判手続上の差押とは,民事執行法に定める強制執行のひとつであり,分かりやすくいえば,債権者が,不動産を強制的に売却(競売)し,その売却代金から債権を回収するという目的で行われます。

仮差押をすると,その旨登記され,その後,訴訟を経て,差押が為されることが予想,予定されます。

仮差押後に売買が為されても,その後差押が為されれば,不動産は強制的に売却されることとなります。

質問

私の住まいについて仮差押されたのですが,今後住むことはできないのですか。

弁護士の回答

差押(競売手続)が進行するまでは居住していても問題はありません。

しかしながら,現状のまま永続的に住むことはできず,いずれ出ていかなければなりません。

質問

親戚に援助してもよいという人がいます。この人に買って貰って住み続けることはできませんか。

弁護士の回答

結論からいうと,住み続けることが可能な場合があります。

仮差押債権者に配慮することなく売っても,後に差押をされてしまい,そうなると買主は不動産を強制的に手放すことになってしまいます。

しかしながら,仮差押債権者の同意を得て,仮差押を取下げることを条件に買って貰うことが可能です。

仮差押債権者が同意をするか否かは仮差押債権者の自由ですが,通常,競売で売ることができる金額と比較し,同意するか否かを決めます。

質問

実は,以前にも他の債権者から仮差押を受けていますが,それでも可能ですか。

弁護士の回答

仮差押債権者が複数いる場合でも,すべての仮差押債権者の同意を得て売却することは可能です。