弁護士(法)はアクセルかブレーキか?

スタートアップに関わるにあたり,過去に書いたものを思い出しました。
弁護士の職務,すなわち法はアクセルかブレーキかといえば,間違いなくブレーキであると思います。
自動車が用を為すには,アクセルだけでなく,適正な,良く効くブレーキが必要です。
有名どころの自動車メーカ-である,メルセデスであれ,トヨタであれ,ホンダであれ,一番の重要研究対象はブレーキであり,ブレーキ無くしてエンジンパワーを発揮することはできないものです(推測。)。
いつでも止まることができるから,スピードを出すことができるのです。

 

そういった意味で,弁護士(法)のもつブレーキの役割は重要です。
いざというときの手当ができるからこそ,ビジネスの,人的社会の大海原で自己実現できるのです。

 

そうはいっても,ブレーキは,アクセルすなわち推進力が一定以上になって初めて優位性を認められるものです。幼児の遊ぶ四輪・二輪玩具にはブレーキ機構がないのはその証左です。そもそもブレーキが不要だからでしょう。

 

市場・社会・産業においても同様です。
まずは,ノンブレーキで走ってみて,速度が出て来たら,規模が拡大してきたら,ようやくブレーキの存在,法整備の段階に入ることになります
ブレーキをかけながら,規制をかけながらでは市場・社会・産業の発展は困難でしょう。
ということで,弁護士がスタートアップに関わるとき,本来の役割であるブレーキを果たすことは,必ずしもよいことばかりではなく,悩ましいところです。
スタートアップに関わる際は,ブレーキ役でありつつも,アクセルの役割に最大限配慮する必要があるのではないかと思います。
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