内部通報制度(公益通報制度)ー公益通報者保護法の改正(2020年6月)により2022年6月までに内部通報制度の整備の義務付け

公益通報者保護法の改正(2020年6月)により,2022年6月までに内部通報制度の整備を行わなくてはならない会社等があります。

内部通報制度(公益通報制度)とは

企業による一定の違法行為などを、労働者が企業内の通報窓口や外部のしかるべき機関に通報することを「公益通報」といいます。公益通報は、企業の違法行為を明るみに出すことによって、その是正を促し、消費者や社会に利益をもたらすことになりますが、通報した人はそれによって、企業から解雇や降格などの不利益な取扱いを受けるおそれがあります。

そこで、公益のために通報を行った労働者を保護するとともに、国民の生命、身体、財産を保護するために「公益通報者保護法」が設けられ(※)、それを踏まえて「公益通報者保護制度」が整備されました。
※2004年6月公布、2006年4月施行。

簡単に言えば,労働者が雇用される会社等の一定の法令違反行為について不正の目的ではなく,通報した場合に解雇や不利益取り扱いを禁止するという仕組みです。
公益通報者保護法
会社等には,通報対応の仕組みの整備が求められることになります。

内部通報制度整備を義務付けられる事業者

2020年に公益通報者保護法が改正され,事業者に対し,内部通報に適切に対応するために必
要な体制の整備等(窓口設定、調査、是正措置等)を義務付けることとなりました。

中小事業者(従業員数300人以下)は努力義務ですが,要請されることに変わりはなく,また,医療法人や学校法人も内部通報制度整備を義務付けられます。

内部通報制度整備を急ぐ必要性

内部通報制度は,公益通報者保護法により要請されるというだけではなく,以下の点でより早期に適切な体制を整えることが必要であると考えられます。

社内の不正の予防,除去

文字どおり,違法行為について,早期に把握するシステムを採ることで,不正の予防や早期発見早期解決につながります。

社内の不正の重大化防止

適切な内部通報窓口が存在しない場合には,自ずと不正行為に対する糾弾は外部的な相談窓口に行くこととなります。

そうすると,もはやその問題を内部解決することはできず,問題が重大化することを避けられません。

適切な内部通報窓口が存在する場合には,問題を必要以上に重大化することなく,解決できる場合が増加します。

コンプライアンス意識の訴求

内部通報制度を適切に設けることにより,コンプライアンス意識に富み,コンプライアンスを配慮した良い企業であるとの評価を受けることができます。

このことは,取引先からの信頼を得るにとどまらず,より優秀な人材を集めるためにも必要不可欠です。

内部通報制度の整備

秘密を保持する等適切な内部通報制度を確立するには,以下の点にポイントがあります。

内部通報規程を整備すること

通報に係る秘密保持の徹底,通報者に対する不利益な取扱いの禁止の徹底,自主的な通報者に対する懲戒処分等の減免等に配慮した内部通報規程の明文化がなされれば,適切な内部通報制度の整備および運用が可能になります。

適切な内部通報窓口を整備すること

適切な内部通報制度の整備および運用には,経営幹部からも独立性を有する通報ルートの整備が必要不可欠です。

会社の内部で設けることも必ずしも否定されるものではありませんが,やはり外部機関,かつ一定程度の窓口としての処理能力がある機関がよいでしょう。

その意味で弁護士,法律事務所がよいと思われます。

現在でも,弁護士および法律事務所が内部通報窓口として機能しています。

内部通報窓口の費用等

従業員数300名未満:月額3万3000円(税込)
従業員数300名以上1000名未満:月額5万0000円(税込)
従業員数1000名以上3000名未満:月額8万円8000円(税込)
従業員数3000名以上:月額11万円(税込)

内部通報規程の作成:16万5000円(税込)

Q&A

内部通報専用窓口として,どのような連絡手段を設置するのでしょうか。

原則として,初回対応はメールで通報を受けする形を採っています。

必要に応じて,電話でやりとりあるいは面談することもあります。

各社に応じた内部通報専用のアドレスを御用意し,そのアドレスを内部通報窓口として,従業員の方に周知していただくようお願い申し上げています。

内部通報専用窓口を設けることをどのように従業員に周知するのでしょうか。

通報対応の仕組みやコンプライアンス経営の重要性のみならず,公益通報者保護法について、社内通達、社内報、電子メール、社内電子掲示板、携帯用カード等での広報の実施、定期的な研修の実施、説明会の開催等により、経営幹部及び全ての従業員に対し、十分かつ継続的に周知・研修をすることが必要

(消費者庁ガイドライン:https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_system/whisleblower_protection_system/private/)

とされています。

ご相談させていただき,かかる周知の方法もともに考えていくことになります。

必要であれば,研修や説明会も行います(費用別途)。

顧問弁護士がいますが,それとは別に依頼することは可能ですか。

可能です。

内部通報窓口は,経営者からの独立性が要求される性質があります。

その意味で,顧問弁護士は,経営側といえるため,顧問弁護士とは別に内部通報窓口を設けることがより望ましいといえます。

遠方でも依頼することは可能ですか。

可能です。

リモートワークが進む今日において,インターネットを使ったリモートでの面談も可能であり,もはや,必ずお会いしなければ業務ができないという状況ではありません。

特に内部通報窓口は経営から独立した立場で動くべきものであるので,緊密な関係性は必ずしも必要ありません。

ご相談から,ご依頼,業務の実施に至るまで,リモートでの会議で足ります。

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