ガイドラインって何?

質問

今般,業務でガイドラインを作成することになりました。

気をつける点等を教えてください。

弁護士の回答

ガイドラインは,多義的ですが,もともとは指針という意味です。
指針としてのガイドラインは,法的拘束力までは持たず,トラブルを防止するため,利用しやすくするために定められるものであると考えられます。
法的効力を持たないガイドラインに違反しても,是正を求める程度のことしかできず,それを超えた扱い(ペナルティー等)をすることはできません。

ただ,同じガイドラインという名前でも,法的拘束力を持つものもあります。
たとえば,契約書中に○○についてはガイドラインで定めるとして,当該ガイドラインには,法的な権利義務関係についての定めがある,このようなケースでは,ガイドラインという名前でも法的拘束力を持つことになります。要するに,契約書の一部をガイドラインという名前にしているだけの場合です。
インターネット上のガイドラインも法的拘束力を持つ場合があります。この場合のガイドラインは,利用規約とされることもあります。利用の際にガイドラインへの同意を義務付けているようなケースです。
たとえば,Googleの利用規約(https://policies.google.com/terms/archive/20171025?hl=ja)はガイドラインともいわれますが,「ユーザーは、本サービスを利用することにより、本規約に同意することになります。」として,拘束力まで発生させる性質のものであると考えられます。その結果,Googleは,利用規約に違反した場合は利用禁止の処置をしたりペナルティを課していると思われます。

簡単にまとめるとすれば,ガイドラインが法的拘束力を発生するかどうかは,同意を必要としているかどうか,ガイドラインの内容が法的権利義務関係を含むものであるかどうかであると考えられます。

ガイドラインについて,ガイドラインを守らなければペナルティを課したり,契約関係に影響を及ぼす,すなわち,契約の解除の理由となったり,損害賠償義務の対象になると考えられているのであれば,それを実現するには,ガイドラインを締結する相手との合意が必要です。

ガイドラインを法的拘束力を発生させない指針であると考えられているとすれば,どのような要求をしても,法的な問題にはなりません。指針として,示しているだけであって,要するに,お願いです。こちらが一般的だと思います。
他方で,ガイドラインを法的拘束力を発生させるものと考えられているとすれば,真に合意が得られているのかどうかがまず問題になります。一般に,慣習や法(他社との規約等も含む)に反するものであれば,合意は得られ難いため,このあたりも問題になります。

契約書もガイドラインも覚書も,名前のみで判断されるわけではなく,内容によって判断されます。法的な権利義務関係を規律した内容の合意書は,どんな名前でも法的拘束力を発生させうるといえますし,他方で,合意なく一方的に決定する場合は,法的拘束力を発生させることはないのが原則です。